おまたせしました
たけぴの毒舌復活!
更新は気まぐれ!!



東京の保育園でこんなことがあった。

 学芸会の「浦島太郎」で、浦島太郎が6人、乙姫が6人、亀も6人という劇が行われたらしい。どうやら保護者から「うちの子供に鯛やヒラメの脇役をやらせないで欲しい」とか「ぜったいにうちの子を主役にしてください!」との注文が殺到したとか。ドリフのコントちゃうんやから・・・・・。 
 でも親はこう言うでしょう「当然でしょ! かわいい子供に脇役をやらせたい親がどこにいますか?」 ほなけどお母さん、アナタは“子供が脇役をやるのがかわいそう”なんじゃなくて“子供が脇役をやっているのを見る自分”がかわいそうなだけちゃいますの? 僕も幼稚園のとき『ブレーメンの音楽隊』の脇役フクロウをやったことがあるんですよ。でも、主役の馬や犬よりも、僕はフクロウ役を楽しんで演じた自信があるよ。
 まず、フクロウのお面を作らないといけない。馬とか犬とか猫とかは描きやすいけど、フクロウなんて幼稚園児には想像できんのですわ。だから必死になっていろんな図鑑とか見て描いたよ。あと、鳴き真似の練習をせなあかんので親に「フクロウ買ってくれ!」言うて怒られた記憶がある。
 でも楽しかったのよ(あとでわかったけど『ブレーメンの音楽隊』にフクロウなんて出てこんかった!!)。
 そんなもんちゃいますか? いざ子供の気持ちになったら、親が思うほどメチャメチャ主役にこだわるとか、平等じゃないとか、そんなことちっとも思ってないんじゃないですか? 逆に主役6人とかの世界を刷り込んでしまったら「あ、やっぱり主役じゃないと駄目なんだ・・・」ってプレッシャーになるだけでっせ。
 そりゃ、その後の人生、ずっと主役をはれたらええですよ。小学校もずっとスポーツ万能、中学校では成績優秀、高校では生徒会長とかね。でもそんなヤツひとにぎり。親の期待に屈する子供もいる。そんなとき、親が期待してた“主役”になれなかった子供はどうしたらええの? ステージを降りた彼らが行く場所は・・・・・・・・・・。ええじゃないですか、鯛でもヒラメでも。けっこう楽しんでやりますよ子供たちは。なにより本当の社会で、会長6人、社長6人、ヒラ0人・・・・・そんな現実なんて皆無なのである。


▲2001.09.15



奥さん、あなた何センチですか???

 今ここを読んでるあなた、ちょっと両腕を左右にピンと伸ばしてみてください。そんで、そのまま1回転してみてください。今あなたが描いた半径約60センチの円が人間の“テリトリー”なんですって。そこに他人が入ってくると、激しい不快感を抱くんですって。
 今年4月、東京の駅のホームで18歳の少年4人が「足が当たった」という理由で、会社員を死亡させるという事件があった。この少年たちの行動にも“テリトリー”が深く関係しているのである・・・・・・・・・・と、どっかの心理学の先生は分析してはります。
 でもおかしいでしょ? だって“テリトリー”というのは、昔から人間に備わっている感覚なはずだから、ずっと昔の若者だって密室でキレまくっててもおかしくないはずですよね? でも密室でキレる事件のほとんどが最近のことらしいんですよ。
 そしたら違う大学の社会学者さんがこう分析してはります。−−−現代の家庭には必ずといっていいほど子供部屋がある。少しでもストレスを感じたら、いつでもそこに逃げ込める。そのうえ鍵もかけられる。そんな環境で育ってきた子供は、電車のような閉鎖的な空間で足が当たっただけでも敵意を感じて過剰反応してしまうのである−−−。
 なるほど、キレる子供が増えたのは子供部屋のせいだったのか!!
 そういや僕が子供のころは、小学生でも自分の部屋をもってない子供はまだ多くいた。僕もその一人で、どうしても自分の部屋がほしくて、廊下の前後に段ボールを挟んで俺の部屋(自称)をつくって、オカンに「絶対にここには入るな!」って言うたら「ほな他の部屋には絶対に入るな!!」と兵糧責めにあった記憶がある。友達の家に遊びに行ったときも、そいつのオヤジが飯を食ってる横を通って、ジイサンが寝てる横を通って、応接間・兼・テレビ部屋・兼・食卓みたいな部屋で遊んだもんだ。僕らは半径60センチの自由なテリトリーがほしくて、空き地や河原に「秘密基地」という拙い隠れ家を日が暮れるまでつくったもんだ。
 さて、今CMで取り上げられている「チャイルドマザー」とは、子供のころの半径60センチを、いまだに拡げることの出来ない母親であると僕は思う。そして親の役目とは、子供のテリトリーを数ミリずつでもいいから拡げてあげる作業であると(勝手に)感じている。
 ということで、子供部屋をつくるんだったら貧乏なワイヤー編集室に社長室をつくってほしいのである(涙)。


▲2001.10.15



フツーが一番フツーじゃないのだ!!

 フツーの子どもがヤバイらしい。
なにがヤバイかというと、暴力や万引きや殺人なんかを突然やっちゃうのがヤバイらしい。そして、もっとヤバイのはその“ヤバさ”を判別するのが非常に困難なことらしい。
 みなさん、ちょっと学生時代を想い出してみてください。昔の不良って一目で判別できたでしょ? ごっついボンタンはいてたり、剃り込み入れてたり、集団でバイク乗り回してたり、ツバを吐き散らかしてたり。彼らは自分の“悪さ”を主張することが存在証明だから、周りがビビッてくれないことには商売あがったりなのである(いや別に商売はしてないけど・・・)。
 もちろん、そのような判別可能タイプの不良たちも現在だって元気に(!?)頑張っている。おおむね彼らは結婚とかしちゃうと、けっこう子煩悩な親になって「自分も昔はやんちゃしてたッスけど、今はガキと嫁さんのために頑張ってるッス」と、ほほえましいのが特徴である。
 しかし、困ったことに最近の少年犯罪は、ごく普通の子どもが急にキレて罪を犯してしまうパターンが多いのだ。ある少年課の警察官の話によると、昔は逮捕した少年は調査なんかしなくても、ブラックリストに載っている子ばかりだったので「あっ、こいつか!」と顔も名前も補導歴も全部わかったのに、最近捕まえるのは「えっ、だれこいつ!?」と戸惑うようなノーマークの子どもが多いとか。
 ところで意外な話だけど、少年犯罪の数は全国的に年々減少しているんだって。だけど、神戸の少年A事件やバスジャック事件など凶悪な犯例が増えているのでイメージとしては増えているように感じられるのだ。
 そんななか教育関係や法律関係の偉い人たちは「もっと少年法の刑を重くしよう。場合によっちゃ死刑だってアリにしよう」とか「名前も顔写真も公開しちゃってもええんちゃうん」などの改善案を考えているようだが無駄だと思う。だって「死刑が恐いから悪いこと止めよう」とビビッてくれるタイプの不良ではなく、普段は自分でもキレルことが分からないような普通の子どもなんだから。表面上の法律なんかじゃない、もっと深い意味での教育改革、それも時代に合った予防策がそろそろ必要なんじゃないだろうか?
 なんだか昔のヤンキーが愛おしく思えてきた。


▲2001.11.15



今月はちょいカタイっす。ゴメンナサイ・・・・・。

 最近テレビや新聞でインタビューされる機会が増えてきた。おもしろいことに、僕がよく聞かれる質問の内容もだいたい決まってきているようだ。「社長さんは独身で子供もいないのに、なぜ子育て情報誌をつくるのですか?」というのと、「社長さんのご両親はどういう教育をしてきましたか?」の2つである。このことは聞かれないと言わないようにしてきたのだが、あまりに頻繁に聞かれることが多いのでこの際、書いておこうと思う。
 僕には両親はいません。父も母も亡くしおり、兄も亡くしているのでカッコつけて言うと天涯孤独の身です。29年前に母は45歳で僕を産みました。当時父は50歳を過ぎていました。
 高齢なうえに病弱だった母と父は、どちらがいつ死んでも僕が困らないように、物心ついたころから“僕が一人で生きていけるすべ”を教え込んできました。家事や炊事はもちろん、物事の見方や決め方まで「子供にそこまでやらすか!?」ってくらい厳しかったな。当時はそれが嫌で、友達の若くて優しいお母さんを羨ましく思ったりしてました。
 でも、今思うとホントにありがたかったと思う。なにより前の会社を辞めてワイヤーを立ち上げるときも、「そんなターゲットの狭い儲けにならない仕事をやるのは経営者として失格だ」とか、「今のままでいた方が地位も名誉も金も絶対いい」とか、あげくの果てには「そんなことしてたら○○○○に潰されるぞ」とかさんざん言われました。でもそんなんにはまったく動じませ〜ん! 僕の決断力というか精神力は、両親がこの体にたたき込んでくれた大きな遺産であると今になって感謝しています(感謝するのが遅いけど・・・)。
 教育ってなんだろう・・・・・。無責任なことを言うが、僕にはサッパリわからない。でも、今、子供としての立場から思うのは「自分が死んだときに、しばらくは落ち込んだりもするだろうが、程なく立ち直り、そして前向きに生きていける人間に育てること」であると思う。それは人間としてというよりも、まさに自然界における動物の親としての使命ではないだろうか。
 これを読んでいるママさん、明日あなたが交通事故に遭って亡くなったと仮定してみてください。アナタのお子さんはその後どういうふうに生きていくか想像できますか? 「うちの子はまだ小さいのにそんな縁起でもないこと言わんといて!!」とお叱りを受けるかもしれない。でも見わたすと、どう考えても他人に頼りっぱなしの甘い大人(中にはええ年こいたオッサンも!)が多すぎるんですわ。どうかそんな大人をつくらないでくださいよ。どうしても甘やかせたいのなら、どうか社会には放り出さないでくださいね。一生家の中で面倒みてやってください。関係ない人にまで迷惑が掛かかっちゃいます。
 さて、冒頭に書いた例の質問にはこう答えるようにしている。
「そうですね。確かに親はまだやったことありませんが、子供としての経験は誰にも負けませんよ〜!!」


▲2001.12.15



子供を信用してない表現が絵本の中にはい〜っぱいだとさ。

 先日、子供の絵本を読む機会があった。そしたら最近の絵本の中には自主規制された表現があることも知った。今回は納得ゆかない自主規制について関西芸人ばりに突っ込んでいこうと思う。そもそも昔話や童話の一部を規制するのは、子供の教育に悪いからという理由があるが、それは子供のことを最初から“悪いことをする危険な生き物”だと決めつけた大人の勝手ではないだろうか? なにからなにまで規制するという方法論は、子供たちの表現力や発想までも規制してしまってるのではないか? まぁ、例をどうぞ。

■桃太郎
前までは犬、猿、キジのことを「けらい」と呼んでいたが、軽蔑する言葉に当たるということで「おとも」とか「なかま」に変更した出版社が多い。でも、動物を食べ物(キビダンゴ)で釣って命がけの任務(鬼退治)に連れて行こうとしてて「なかま」やねん!!
■猿かに合戦
昔は「うすが猿の上に落ちてきて、猿を押し潰しましたとさ」だったのが、今は「猿がもう悪いことはしませんと泣きながら謝りましたとさ」に変更。うすが猿を押し潰すところが残酷すぎるという理由だが、それやったら、うすがわざわざが出てくる意味ないやん!!! ハチと栗だけでもいけるやん!!!!! なんなら、しっかりしたハチだけ解決できるやん!!!!!!!!!!
■かちかち山
前は「土の舟にのったタヌキは舟もろとも沈んでしまいましたとさ」だったのが、「二度と悪いことはしませんとタヌキは謝りましたとさ」に変更。謝ったら許されるんかい!!
■花咲じいさん
前は「殿様の目や口に灰が入って、よくばりなじいさんは殿様に斬りつけられたとさ」が「もうよくばりはやめますと謝りましたとさ」に変更。だから、なんでも謝ったら許されるんかい!!!!!
■ノートルダムの鐘
原題は『ノートルダムのせむし男』。日本公開のときにタイトルを変更。オイオイ、意味まったく変わっとるがな!! ちなみに英題はキチンと【The Hunchback(せむし)of Notre Dame】となっている。映画を見た人はおわかりになるだろうが、いつも王様&姫様が定番のディズニー映画が、難しい問題を取り扱った挑戦作。タイトルを規制するんだったらストーリー自体も変えなあかんやろ!! てゆーかディズニーに失礼やん!!!

ふぅ、関西芸人ばりにツッコミしたらちょっとは気分も晴れた。・・・あっ! 「芸人」って言葉も規制用語だったわ!! 


▲2001.01.15



我が子を愛してるママさんは読まないでOKです!!

 あいかわらず新聞やテレビでは、連日のように幼児虐待、あげくの果てには命を奪ったりする事件が報じられている。そこまでやってしまう親はほんの一握りだろうが、誰もがそうなる危険性をはらんでいるのかもしれない。
 こんなことを言うと「アンタは子供がおらんけんそんな勝手なこと言えるんじゃわ。子供ができたらいろいろしんどいんじゃ、コラ!!」と言われそうだが、「そんなの産むと決めたのはアンタやろ!? 道歩いとったら勝手に産まれて来たんちゃうやろ、決めたからには責任もてぇ〜コラァ!!」と返したところで、中には「できちゃったんやから仕方ないんじゃ、ゴルァァァァァアアアアアアアア!!」と怒られるかもしれない・・・・・。
 僕はカッコつけるわけではないが、誰の味方かと言うと、お父さんでもお母さんでもない、子供の味方である。今年30歳で最近は白髪もちらほら出てきたり、朝起きたとき枕にオッサン臭が付いてたりするのだが(書いてて悲しい・・・)、まだまだ気持ちは子供代表なのだ。そして、お忘れかもしれないが、今お父さんお母さん役をやっているあなたも実は、まだまだご両親の子供だったりするわけである。
 そんな忘れかけてた子供の気持ちをふと思い出させてくれる絵本があります。『わたしがあなたを選びました』という小さな絵本です。時に子供に嫌気がさして、そんな自分が嫌になったあなたへ、その絵本の中から言葉を贈ります。あなたの愛するお子さんが産まれた日のことを想いながら読んでみてください。あなたの子供に代わってお願いします。


 おとうさん、おかあさん、
 あなたたちのことを、こう呼ばせてください。
 あなたたちが仲睦まじく結び合っている姿を見て、
 わたしは地上におりる決心をしました。
 きっと、わたしの人生を豊かなものにしてくれると感じたからです。

 汚れない世界から地上におりるのは、勇気がいります。
 地上での生活に不安をおぼえ、途中で引き返した友もいます。
 夫婦の契りに不安をおぼえ、引き返した友もいます。
 拒絶され、泣く泣く帰ってきた友もいます。

 あなたのあたたかいふところに抱かれ、
 今、わたしは幸せを感じています。
 おとうさん、わたしを受け入れた日のことを、
 あなたはもう思い出せないでしょうか?
 いたわり合い、求め合い、結び合った日のことを。
 永遠に続くと思われるほどの愛の強さで、
 わたしをいざなった日のことを。
 新しい“いのち”のいぶきを、
 あなたがフッと予感した日のことを。

 そうです、あの日、わたしがあなたを選びました。

※『わたしがあなたを選びました』鮫島浩二著(婦人生活社)より抜粋


▲2002.02.15



壁に耳あり、赤ちゃんに言葉あり!?

 この原稿を書いてるのが3月31日の日曜日。今アパートでサザエさんを観ながらキーボード打ってます(真剣に書けよ!)。そうか、僕はちょうど去年の今ごろまでは毎日のように高校生や大学生と話しして、あわわというタウン誌をつくっていたのだ。まさか1年後に主婦の方と毎日のように話ししている自分の姿なんて想像もしてなかったなぁ。
 昨年春、徳島には無かった主婦向けの月刊誌を出そうと決意したはいいけど、「はたして自分は主婦の人と話しなんてできるのだろうか?」「どんな会話をすればええのじゃ!?」「女子高生なら得意なんやけど・・・」な〜んて最初は不安でした。でも1年たって主婦のみなさんとの会話にもすっかり慣れて、今では女子高生と話すほうがコワイっす!!
 こんなふうに雑誌づくりを通して、いろんな人たちと話ししてきたわけだが、ひとつだけ話しできていない人種がいる。

赤ちゃんである。
なんせ言葉が通じんやん!!


 ところが先日、取材先の園長先生からおもしろい話を聞いた。手話のようなサインを使えば赤ちゃんとも会話はできるらしいのだ。これを“ベビーサイン”と呼ぶ(詳しくは『ベビーサイン・まだ話せない赤ちゃんと話す方法(径書房)』という本に載っているので興味ある方はぜひ一読を)。

 赤ちゃんが言葉をしゃべり始めるのは、もちろん個人差はあるが、だいたい1歳を過ぎたころからだ。だから大人は“赤ちゃんは1歳を過ぎないと言葉を理解できない生き物”だと勝手に思いこんでいるようだ。でも実は生後9ヶ月あたりから赤ちゃんはある程度の言葉を理解してて、それをしゃべりたくてウズウズしているんだって。でも、赤ちゃんの声帯のあたりは、生まれからしばらくは【しゃべるぞ機能(※たけぴ勝手に命名)】よりも、ミルクを飲むための喉や食道の【オッパイ吸うぞ機能(※これも勝手に命名)】が強いようにできているらしい。それは動物として当然の原理で、か弱い赤ちゃんは言葉をしゃべるより先に、とにかくミルクを飲んで元気に大きくなることが優先である。たしかに赤ちゃんの【オッパイ吸うぞ機能】ってかなり強いでしょ。赤ちゃんは仰向けになってオッパイを飲めるけど、大人ならむせ返ってしまうよね。
 そんで、1歳くらいから徐々に【オッパイ吸うぞ機能】が【しゃべるぞ機能】にシフトチェンジされていって、完全に切り替わった瞬間に初めて「ママ〜」と言葉にして発音できるのだそうだ。
 ただ、大人には「バブー」としか聞こえていなかった声も、本人としては「ママ」とか「おしっこ」とかしゃべっているつもりではある(ただ発音ができないだけ)。だからそれを親に解ってもらえないとめちゃくちゃストレスはたまる。想像してみてください。あなたが言葉の通じない国に行って、泣きそうな顔で「トイレどこですか?」って聞いてるのに、ごっつい笑顔で握手を求められるようなもどかしさじゃないでしょうか。
 でも、こう考えるとコワイ面もありますよね。赤ちゃんだから解らないだろうとテキトーにしゃべっている会話が実はちゃんと伝わってて「またこの親はしょ〜もないことでケンカしよるわ」とか「うちの親は外と中では態度がコロコロ変わるなぁ」とか思われてたら・・・。まぁ、しゃべれる力と理解力は別の話なので、そこまではないにしても、ワイヤーママのみなさん、赤ちゃんとはキチンとお話ししてあげてくださいね。

あっ、いまテレビにイクラちゃんが出てきたけど、そういやこの子も大人の会話ぜんぶ理解しとる!!


▲2002.04.15



ホントはBEST10まで発表したかったんやけど・・・・・

 ワイヤーのホームページのカキコミを見て意外だったのが、ママのみなさんの中にもけっこう漫画好きがいらっしゃるんですね〜。
 ふだん家事や育児に追われて、漫画なんて読むひまないのかな・・・なんて思ってましたが、女子高生のようにいろんな漫画を交換し合っている姿を見ると、「なぁ〜んだ、僕らと同じじゃん!」なんて急に親近感が沸いたしております。  ということで、今月は漫画の中に見る“母性愛”について語ってみたいと思います(そんなたいしたことでもないけど・・・)。  それでは突然ですが、僕が今まで読んできた漫画の中で「このオカン泣かせるなぁ〜なシーンBEST3」を発表しちゃいます。

★泣かせるシーン第3位
『どろろ1巻』著:手塚治虫
戦国時代、父を亡くした少年どろろは、戦乱と飢饉のなか母と二人で細々と生きていた。食べ物も底をつき、飢え死にしそうな二人がたどり着いたのはお粥を恵んでくれるお寺。しかし、貧乏な親子には食器もない。
坊さん 「入れ物がなければお粥はやれんがな」
母 「この手のひらにもってくださいまし!!」
坊さん 「馬鹿なことを・・・。そんな手にこの熱いお粥がもれるものか。ただれてしまうがな」
母 「いいえ!! かまいません。どうぞどうぞ、お願いします」
そして、手にヤケドを負いながら、息子にお粥を食べさせる母。泣かせる! 泣かせるなぁ・・・。手塚センセ〜!!!!!

★泣かせるシーン第2位
『美味しんぼ71巻』著:雁屋哲・花咲アキラ
主人公・山岡士郎の上司である小泉局長が敗戦直後の想い出を語るシーン。食糧難のため、白米を食べるのは外に働きに出ていたのでお父さんだけ。局長たち子供が食べるのは、釜に残った米のお焦げや、サツマイモのみ。ある朝、ふと台所をのぞいてみると、妊娠中でお腹の大きな母が、台所の隅でうつむいて何かこそこそ食べている。兄弟たちは、母が食べているものを見てギョッとした! それはサツマイモのシッポ(残りカス)だった!! 局長は語る。
「そう言えば、母は私たちと一緒に朝食を食べなかったことを思い出して、子供心に胸を突かれる思いがした。私はその時の妊婦服を着た母の姿が忘れられないんだ。父と私たちとお腹の赤ん坊を、我が身を犠牲にして支えている母の姿は、なんとも神々しく見えたんだ・・・・・」
局長ぉぉぉおおおおお!! 泣かせるなぁ〜!!!! 海原雄山ぁああああん!!!!!(←この話には関係ないけど)

★泣かせるシーン第1位
『寄生獣8巻』著:岩明均
2位3位と感動的なシーンを挙げたのに、よりによって1位が『寄生獣』!? ちなみに寄生獣とは、人間の体を乗っ取って生きる生物です。あまりに増え過ぎた地球の人口を減らすため、宇宙からやってきた生物で、人間の姿そっくりに変身して、人間を食べまくります。そんなコワイ動物ですが、あるひとりの寄生獣だけは、実験的に人間の赤ちゃんを出産したり、その子を育てたりします。とはいっても主食は人間っす! 今までに38人もの人間を食べてきたっす! 最後は警察に囲まれて撃たれまくるのですが、子供だけはなんとか守ります。そして、子供を人間の少年(主人公)にに手渡したのち、こう言って息絶えます。
「(この赤ん坊は)何の変哲もない人間の子供だ。お前たち人間たちの手で普通に育ててやってくれ・・・・・」
ちょっと泣くのはムリやね。泣けんけど、深いね。非情な宇宙生物だって我が子を想う気持ちは一緒なんです!!

 なんだろう・・・。ホントに勝手な意見かもしれんけど、たかが漫画されど漫画、学術的で堅苦しい育児専門書なんかより、よっぽど勉強になるかもね。


▲2002.05.15



ヒヨコが先か、ニワトリが先か!?

 テレビで『命の授業』というのを観た。高校生がヒヨコを手塩にかけて育てて、ニワトリになったら自らの手で殺して食べるという授業だ。
 これは「生命の尊さ」や「生きることの厳しさ」を学ぶという体験学習であるが、当然、育てているうちに愛情がわいてくる。食べる前日には、数人の女子高生が先生に詰め寄り「絶対にこの子(ニワトリ)を殺すのは嫌です! 明日は学校を休みます!」と号泣で訴えていた。先生も先生で目に涙を浮かべながら「野菜でも魚でも、僕らは命を奪ってそのおかげで生きさせてもらっとるんよ。そのことをわかって欲しい!」と声を震わせながら説得していた。

 ま、内容が内容だけに、PTAや外部からは反対意見も出てきているようだ。確かに見ていて、なにも殺すところまで生徒にさせることはないんじゃないの?とは思った。もっと言うと、ほな戦争の残酷さを教えるには戦争に行かせなあかんのか?なんて思ったりもした。 

 でも、殺す直前まで泣いていた彼女たちが、水炊きに変わり果てたニワトリを食べて「コレ美味しいっ!」とごっつい笑顔。そんで後日には弁当に入ってた唐揚げを美味しそうにペロリ。はは〜ん、こりゃ生命の尊さを学ぶというよりも、今の女子高生の切り替えの早さを、逆に学ばされたようで勉強になったぞ、違う意味で。

 残酷ついでに自分の話をするが、今までいろんなアルバイトをやったが、一番キツかったのはヒヨコの雄雌の選定だった(←オマエ何者やねん!!)。僕が行った養鶏場では、ヒヨコの羽先を無理矢理広げて、先が割れていたらメス、くっついていたらオス・・・という具合に分けていた(6年くらい前なので記憶に自信はありません)。なにが酷だったかというと、メスのヒヨコは大きくなって卵を産むので大事に育てられるが、オスはもうサヨウナラなのだ。オスが入った箱がいっぱいになったら、おじさんがやって来てグラグラと煮えたぎったドラム缶のような鍋に放り込むのだ。そんで豚の餌になるのです。オスってつらい!!!

 作業をしている僕としては、箱の中でピーピー鳴いているオスがみじめで、オスを選ぶたびに「ごめんなぁ」と心の中でつぶやいていた。ハイ、今だからこそ正直いいます。何十匹かはオスだとわかっていながらメスの箱に入れました! スンマセン、養鶏所の人! あいつらぜったいにタマゴ産めません!!!

 マスコミや学識者はイヤミったらしく言う。スーパーの切り身の魚を本物の魚だと信じ込んでいる子どもや、野菜が生えているのか知らない子どもが哀れだと。しかし、それはあくまでも“知識”の範疇で、決して“知性”ではない。クイズ王にでもさせたいのなら、“知識”をたたき込むために魚や野菜の形を教えるのもいい。もっと突きつめると、わざわざ鶏を育てて食べてみたり、ヒヨコのオスメスを選んでみたり(いや、これはバイトやん!!)、体に叩き込んでやるのもいいだろう。しかし、わざわざそこまでしなくても“知性”としての“生命の大切さ”はわかってもらえると思う。

 それはまさに母親がこの世に残した唯一の命である自分の子どもを、どうやって育てているかを見せてやることだと思う。決して過保護にするという意味じゃなくて、親の優しさや厳しさ、時には怒りや激しさを間近で見ることによって自然と身に付く“知性”だと思う。「自分という小さな生命をお母さんは心から大事にしてくれてるんだなぁ。ヒヨコのお母さんもきっと子どもが大事だったんだろうな」ってね。そっちのほうが、せっかく産まれてきたヒヨコを食べるよりも、子どもには素直に伝わるでしょ?


▲2002.06.15



一○
アナタの一番近くにいるアーティストについて・・・・・

 雑誌版ワイヤーママの裏表紙に『あすたむらんどの想い出日記』というコーナがあるでしょ? 毎月、子どもが描いた絵が編集室に送られてくるんだけど、この絵を選ぶ時間が楽しいのなんの!

 頭のてっぺんから手が生えてフワフワ飛んでる絵、ピンク色の太陽が画用紙の半分くらいを占めている絵、お母さんが犬みたいに四足で歩いている絵・・・。子どもたちのアタマンナカの世界にはつくづく驚かされます。
 こんな子どもたちのアバンギャルドな絵を目にして「まるでピカソのようだ」と言う人もいるけど、それは間違い! キャンバスに絵の具をぶちまけたようなピカソの画風は、実はかなり計算された大人の絵である。もともとピカソの父親はデッサンの先生で、その影響でピカソが本気で描いた写実画は、あの『モナ・リザ』で有名なダヴィンチにも負けないくらい正確で美しいと言われているのだ。
 ピカソの言葉にこんなのがある。「私は少年の時にすでにラファエロのように描くことはできたが、大人になって少年のように描けるようになるためには半生を費やした」
※ラファエロ・・・宗教画で有名なルネッサンスを代表する画家。かなりのテクニックを駆使して描く。

 そうなんです奥さん!(みのもんたが紙をめくるときの口調で) あの天才ピカソですら、子どものように描くのはかなり難しかったんです。ということは、子どもはみ〜んな天才なんです。はやくから計算ができたり、漢字を覚えたりするのもええですが、お子さんが何気なくチラシの裏とかに描いた絵こそ、思いっきり大きな声で誉めてあげたらええのです。なんせ、それはピカソよりすごい絵なんですから!

「ほなけど私、絵のことはまったくわからないからどうやって誉めていいのか自信ないわ〜!!!!!」
というそこのお嬢さん!!(みのもんたが前列の人を指さして言う口調で) そんなお嬢さんにピッタリの本をご紹介します。デザイナーの結城昌子さんが出している「小学館あーとぶっく」シリーズの第3巻『ピカソの絵本 あっちむいてホイッ!』という絵本です。
 世にピカソの解説書は数あれど、この絵本ほど、わかりやすくて、おもしろくて、そして愛情たっぷりに芸術を説明した本はないと思います。

 たとえば、ピカソの有名なヘンな顔《横を向いてるのに正面から見たように目が2つ。そんでもってなぜか右手に船、左手に植物を持っている女性?の絵》を紹介したページでは、絵の横にこんなキャプション(絵の説明文)が入ってます。

右?前?左?
どっちを向いているのかわからない
おもちゃの船と小さな花
お気に入りはどっちなの?

やられた・・・・・。そうくるかぁ〜。このキャプションを読んだら、これまで「とにかく変な女の人がおる!」としか思えなかったこの絵が「船と花のどちらも欲しくてキョロキョロしているカワイイ女の子」に見えてくるから不思議。こんな感じでピカソの作品をひとつひとつ優しく説明してくれてるから、大人も子どもも楽しめるはず。
 特に、ピカソが描いた6人の女性像(もちろんごっついハチャメチャな顔)と、彼女たちの本物の写真を線で結ばせるクイズ『この人だーれ?』は秀逸。案外、汚れのない心の子どものほうが全問正解したりして。

 ということで最後にもう一度。お嬢さん!!(←しつこい) 子どもは絵を誉めましょう!! うちの子は誉めるところが無いなんてあれはウソです!!!


▲2002.08.15



一一
たけぴの芸能界ぶったぎり!!!!!!!!

 連載当初から辛口コラムで知られているこの『たけぴの教育論』であるが、2日前(8/22)こんなFAXをいただいた。

前略。たけぴさんの教育論を毎回楽しみに読ませてもらっています。でも、最近ずっと感じるのですが、昔に比べてとても優しい内容になっているような気がします。もっともっと辛口の内容をお願いします。

 後頭部を鈍器で殴られたような衝撃だった・・・。なんせ記念すべき創刊1周年号の今回は、読者の皆様へ丁重なお礼の言葉を書こうかと思っていた矢先だったのだ。よし、わかったぜ、中吉野町のMさん。たけぴは怖いモノ知らずの血気盛んな20代(あと2ヶ月しかないけど)。読者へのお礼なんておいといて(いや感謝の気持ちは忘れておりませんよ〜)、書こうか書かんとこかずっと迷っていたテーマについて喝を入れることにしましょう。

 も〜なにが腹立つって、育児をウリにしてTVに出たり本を出したりする芸能人たちが腹立つ。そうじゃ、お前じゃ、堀ちえみ! それと、お前もじゃ、RICACO(ローマ字で書くのすらイライラするわ)。それと、三浦りさ子と三田寛子も忘れたらあかん! それと、地味で目立たんのをええことに、じわじわを頭角を表してきた、ちはると高田万由子、もうそれくらいにしとけ!!  古くはアグネスチャンから始まって、芸能界にはびこるいわゆる“ママタレント”。どう見ても、落ち目のタレントが起死回生を狙って、わが子を道具に使っているとしか思えない。

 芸能人とは、読んで字のごとく“芸”か“能力”があるから成り立つ商売である。歌手には歌唱力、俳優には演技力・・・ほななにか、ママタレにあるのは育児力か? そんなの、世のお母さんのほとんどが日々がんばってることであって芸でもなんでもないわ。

 まぁええ。いま挙げたこいつらはまだ90億万歩ゆずって許してやってもいい。とにかくテレビを見てて、CMになってこいつらが出てきたらイライラして、体中がむず痒くなって、思わずオロナインH軟膏を体中に塗りたくなる夫婦がいるのだ。

 どうですか? あなたも心当たりありませんか? そうです。二人でいちゃいちゃしながらサッポロ一番塩ラーメンつくったり、子どもにシャンプーして見つめ合ってふっと笑ってみたりする、あの夫婦でございますよ!!

 オイ、読んどるか? 保阪尚輝&高岡早紀! それ以上、子どもを商売のネタにするな! それ以上、俺の結婚に対する夢を壊さないでくれ!! そしてラーメンは家で静かに食え!!

 もうここまで書いたらついでだ。今後、子どもができたらすぐに“保坂&高岡的”な動きをしそうな要注意タレントにも釘を刺しておこう。
 コアラ&三原じゅん子、このまえ結婚した西田ひかる、アグネスをあれだけ攻撃しときながら大穴で林真理子、早見優や森尾由美などのはなまるマーケット系もちゃんと“芸”を磨きなさい!! それと、工藤静香が今後どんな手を打ってくるか、ワイヤーママのみなさんも油断無きよう見張りをお願いします!!

 こんなことを書きながら、ハイヒールモモコだけは許してしまうんだよな〜。家族でグアムや台湾行って買い物するだけで1本の番組になるというとんでもないタレントなんだけどなぁ〜。関西芸人だけはなぜか許してしまうんだよな〜。キャラかな〜?
 というわけで(どういうわけだ?)、2周年目のワイヤーも宜しくお願いしますね! やっちゅ〜♪  



・・・・・・・・と、本に載ったのはここまでですが、今思うと書き忘れてた芸能人が山ほどいます。ピンクの電話の声の高いほうとか、プロゴルファーと結婚した元アイドルの穴井優子とかね。てゆーか、子どもをネタにして芸能界で一番エラソーにしてるのは和泉元彌のおかんかもねぇ。

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当時はこんなこと書きながら、なんと半年後に保坂尚輝氏本人と対談をすることになった。感想は・・・ええ人やん! そんでもって、メチャメチャ考えて育児してはるやん!! スンマセン、これからはイメージだけで物言うの止めます。でも相変わらず、RIKACOはムカツク!


▲2002.09.15



一二
がんばれ、オッサン!!
たけぴ流・不況脱出講座


 社長という職業がら毎日いろんな人に会っている。オフ会などで主婦の方に会うとき以外は、ほとんどがオッサンとの仕事だ。そして、最近のオッサンたちは口をそろえてこう言う。

「もぉ〜この不況どうにかならんかなぁ。モノが売れんで困っとんよ・・・」

 しかし、そのオッサンたちの言動を冷静に見ていると「そりゃ世の中も不況になるわ・・・」としか思えないようなことを自分でしちゃっている(人が多い)のである。

 ある調査機関の報告によると、消費全体の約80%が女性によるものらしい。つまり、買い物している人が10人いたら、そのうち8人は女性なのだ。もともと男性は買い物を楽しむ人種ではないし、ウインドーショッピングなんて男性には考えられない行動だ。

 このように、世の中の8割の商品は女性のためにつくられている。しかし、実際にそれをつくっている企業の企画開発部や商品事業部は男性社員でかためられいるではないか。彼らが古い経験やカンに頼って手探りで商品を考え出している。なかには女性を採用して意見を採り入れている企業もあるが、決定権を持つのはあいかわらずオッサンで、買い物なんてゴルフクラブくらいである。

そりゃ、モノも売れんわ〜

 買い物するのは女性なのに、つくるのは男性、それもバブルの頃から思考回路が停止してしまったオッサンたち・・・。今の平成不況の元凶はそのオッサンたちである。そしてその不況の下、賃金カットやリストラでもがいているのもオッサンという皮肉な構図だ。

 オイ、これを読んでいる企業のオッサンたちよ、今すぐ女性を採用して、ある程度の決定権を持たせなさい。それも、日々の生活の中で少しでも安いモノ、そして良いモノを研ぎ澄まされた目と情報網で探し出している主婦の声にもっと耳を傾けなさい!

 「お前はそんな雑誌を作っているから、主婦ウケを狙ってそんなことを言ってるのだ」とウンコちゃんは思うだろう。しかし、僕が思っている“主婦の社会進出”のメリットはそんなしょ〜もないことではない。なによりも、女性はオッサンがするような悪事はしないのだ。

 ここ数年を振り返ってほしい。国内牛の産地を偽装してみたり、工業水を飲料水に混ぜてみたり、政治家とつるんで賄賂を使ってみたり、記者会見で無様に謝っているのはオッサンばかりだ。

 僕は思う。あれが女性だったら絶対にそんな不祥事はしなかっただろう。女性のDNAの中には元来“母親”としての命令が入っていて、いくら金のためといえどもそんな不祥事を起こすと自分の子どもたちの命に関わる・・・・・ということを生まれながらに感知しているのではなかろうか。

 僕が仕事で会ったなかでも、不況下でも元気な企業(お店)はどこも女性社長だったり女性店長だったり、あるいは女性の声を大事にしている企業家たちであった。

 今は“主婦”と一言でまとめて呼ばれる女性のなかにも、すごい感性の持ち主や、すごい技術の持ち主、すごい経歴を持った人が多くいる。実際にそういう人たちを見てきた僕が言うのだから間違いない。

 いや〜、これを読んだ社長さん、あなたはホントにラッキーだ! 今すぐ来年度の採用規定に「主婦でも能力によっては採用します」という項目を入れちゃいなさい!! 主婦の鋭い目と感覚を取り入れなさい!! 主婦の健全さとまっすぐさを見習いなさい!! 

 まぁ、まず最初は自分の奥さんに自社の商品やサービスをしっかりと見てもらうことから始めたらいかがか? もちろん、ワイヤーにいる3人のオッサンにも同様のことを言っておきます。


▲2002.10.15



一三
戦争を知らない子どもたちへ・・・って俺もしらんけど。

 あ〜も〜ホンマにイヤじゃ。最近はテレビでニュースが流れてるだけでもイヤに なってくるわ。ほなって、この本が出てる頃には、アメリカとイラクの戦争が始まっ ているかもしれんのよマジで。その裏で北朝鮮は核爆弾つくっとって「先にしかけら れたら、わしらは地球を壊しちゃってもええと思とる!」なんて発言しちゃってる し。それを聞いたアメリカは「なんやと! わいやは2つの国といっぺんに戦争でき るくらいごっついんでぇ」なんて言うてるし、お前らは田舎の中坊ヤンキーか!!! !!

 もうあまりにしょ〜もないことが多くて、思わず随所に阿波弁が出てきてますが、 今月は見逃してください。でもね、僕ら育児情報誌なんてつくっておきながら、こん な先の見えない世界情勢(おまけに国内は不況・不正・不信の“不”中三トリオ ・・・ってわけわからん)で、未来を支えるべき子どもを育てるための本なんて矛盾し てるんじゃないのか、なんて思ってしまうのです。

 だってね、本格的な戦争始まって日本にも何か起こったら(北朝鮮が絡んだら日本 にミサイルが飛んでこないと言い切れる保証は全く無い!)、『子供服バーゲン情 報』とか『保育所・託児所リスト』とか、まして『おてがるお料理3行レシピ』とか やってる場合じゃないで、ごめっち編集長よ(いや今は頑張ってやれよ!!)。

 てゆーか前にも同じようなこと書いたけど、いつの時代もバカなことを始めようと するヤツはほとんどが男性である。アメリカの血気盛んな大統領も、イラクのヒゲの おっさんも、北朝鮮のエライさんも・・・。やっぱり女性には“母親”として「子どもを 殺してはいけない」という命令がDNAに刷り込まれていて、戦争などというアホなこと はしないように最初からできてるのだろう。だって戦争って端的に言うと「誰かの子 を、誰かの子が、誰かの子の命令によって殺し合うゲーム《世界大会》」ってことで しょ。

 も〜何書いてええのかよぉわからんですが、最近耳について離れない曲を紹介しと きます。サザンの桑田もカバーしてますが、本家はあの美輪明宏さんです。昭和40年 頃に大反響を呼んだ『ヨイトマケの唄』です。ヨイトマケとは土木作業員が円陣を組 んで中心のやぐらに吊した槌(つち)を上げ下げして地固めする時の掛け声で、そう いう仕事に従事する人のことを指します。「土方」と同じ意味合いの差別用語ですが、 敢えて紹介させてください。

 こんな世の中だからこそ、最後の最後は母親であるみなさんの“子を想うきもち” でしか地球を救えないのではないでしょうか。どうかお子さんには“やっちゃいけな いこと”をきちんと教えてあげてください。

ヨイトマケの唄
      作詞作曲:丸山明宏

今日も聞こえる ヨイトマケの唄
今日も聞こえる あの子守唄
工事現場の ひるやすみ
たばこふかして 目を閉じりゃ
聞こえてくるよ あの唄が
働く土方の あの唄が
貧しい土方の あの唄が

子供の頃に 小学校で
ヨイトマケの子供
きたない子供と
いじめぬかれて はやされて
くやし涙に くれながら
泣いて帰った 道すがら
母ちゃんの働く とこを見た
母ちゃんの働く とこを見た

姉さんかむりで 泥にまみれて
日に灼けながら 汗を流して
男にまじって 綱を引き
天にむかって声あげて
力の限りに うたってた
母ちゃんの働く とこを見た
母ちゃんの働く とこを見た

慰めてもらおう 抱いてもらおうと
息をはずませ 帰ってはきたが
母ちゃんの姿を 見たときに
泣いた涙も 忘れはて
帰っていったよ 学校へ
勉強すると 言いながら
勉強すると 言いながら

あれから何年たったことだろ
高校も出たし 大学も出た
今じゃ機械の世の中で
おまけに僕はエンジニア
苦労 苦労で 死んでった
母ちゃん 見てくれ この姿
母ちゃん 見てくれ この姿

何度か僕も グレかけたけど
やくざな道は ふまずにすんだ
どんなきれいな 唄よりも
どんなきれいな 声よりも
僕をはげまし 慰めた
母ちゃんの唄こそ 世界一
母ちゃんの唄こそ 世界一



一四
毎月定期的にやってきて、僕を苦しめるアレについて。

 も〜かなりあせってます。この雑誌の原稿締切は毎月5日でございます。そんでもって、ただ今2003年2月6日の午前1時21分でございます。うちの編集長ごめっちは、まるで泉ピン子に対する赤木春恵のようにプレッシャーをかけてきます。
「教育論の原稿はもう書けてますよね?」
「う、うん。もうちょっと待ってな。あと3行で書けるけんっ(汗)」

ふぅ、とりあえずこれで6行は書けました。あとは会話文でいこうか。

僕は言った。
「原稿を書きたくない」
ごめっちは言った。
「書いてくださいよ」
「だって」
「だってじゃないですよ!」
「いやほんまに」


ヤバイ。これじゃ小学生の読書感想文や・・・。いやホント、受験生の苦しみがヒシヒシとわかります。てゆーか、あと45行ぐらいか・・・。

 受験といえば、ちょうど今ごろの受験シーズンになると毎年想い出すエピソードがある(よし、このネタでいこう!)。

 大学1年のとき、僕は生まれて初めて家庭教師なるアルバイトをした。生徒は中学3年生の女の子。1月から3月までの2ヶ月限定、受験直前の短期集中の教師だ。僕は初めて経験する家庭教師というプレッシャーにくわえ、受験までたった2ヶ月というあせりから、必死になってその子に勉強を教えた。

 も〜初日から英語も数学もガツガツしゃべりまくって飛ばしまくった。その子も最初は緊張していたが、僕の必死の形相に圧倒されたのか、3日もするとかなり勉強熱心になった。なによりその子は元気で明るく勉強に打ち込んでくれた。

 あっというまに2ヶ月は過ぎ、受験の日はやって来た。しかし、その子の成績は志望校の偏差値を下回っていたので「受かるか落ちるかは五分五分。でもここまでがんばったんだからなんとかなる!!」と神にもすがる思いで祈っていた。

 そして彼女は見事志望校に合格したのだ。喜んだのは本人よりもお母さんのほうだった。「先生のおかげで娘は合格しました!」と、合格祝いの食事会に招待してくれた。

 お母さん手作りの超豪華な料理に囲まれ、祝賀会は盛り上がった。僕はお母さんとお父さんに酌されるままガブガブ飲んだ。やがて夜は更けて、子どもは自分の部屋に寝に帰った。すると、お母さんの顔つきが変わり僕にこう言った。

先生、じつは先生に隠してたこと があるんです。うちの娘は耳が普通の人よりも聞こえにくいんです。大きな声でないとちゃんと聞こえないのに、思春期だからでしょうかずっとそれがコンプレックスで、家庭教師の先生には絶対に言わないでと言われてたんです。案の定、今までお願いしてた先生は娘が自分の話を聞いてないんだと思ってみなさん辞めていきました。でも先生になってから娘はこう言いました。「お母さん、今度の先生の言ってることいつも聞こえるよ! 今日の英語も数学もぜんぶ解ったよ!!」って。もしかして先生はそのことを知ってて大きな声で教えてくれてたんでしょうか? 本当にありがとうございました。

 それを聞いて僕の酔いは一気に吹っ飛んだ。まったく気づいてなかったのだ。そう言われてみるとそんな感じもしたけど、僕の声はもともと通りやすいのに加えて、初めての家庭教師&受験まであと数日というプレッシャーから、一段と声に力が入っていただけなのだ。

 とにかく、僕が生まれて初めてちゃんとお金をもらった仕事がこれだ。僕の労働の原点はこの体験にあるのかもしれない。

 今春で創業2年、この仕事にもそろそろ慣れてきて、気が緩みそうになるときもたまにある。でもあの家庭教師のころの気持ちを忘れてはいけないのだろう。

 ということで、12年前のように声を大にして言います。来月こそは締切を守りますよ、ごめっち編集長様!!



一五
最近またこのコラム毒舌じゃなくなった!!
と、FAXをくれた中吉野のMさん、お 元気ですか?


 今、サンクスで立ち読みしているアナタ!
 そう、そこのアナタに一言いわせて。
 買えよ!!!! 

 ど〜も、毒舌社長のたけぴです。突然ですが、言われてムカツクことってありませんか? 僕はあります。今でも思い出すとムカムカするのが、ワイヤーのホームページを立ち上げる数日前、果たして僕らがつくったサイトに主婦のみなさんがアクセスしてくれるのか、かなり不安だったので、たまたま紹介されたごっついエラソーなオバハン(あえてオバハンと呼ばせてもらうぞ)に、「このホームページを数日後にオープンさせるんですが、どう思いますか?」って意見を聞いたらそのババア(←かなりエキサイトしてきました)はこうおっしゃいました。(画面を3秒だけ見たあとに)「あ、こりゃダメだわ。こんなホームページじゃ主婦は誰も寄ってこないわ。オレンジの画面も趣味悪いし、使い勝手も悪いし、これじゃぁねぇ。フヒャヒャヒャヒャ(高笑い)」

・・・・・・・・・・・・・。

あ〜よかった、あのときケンカせんで。大人へのステップ♪♪♪

 まぁ、1年半も前の昔話はおいといて、僕らが必死こいてつくった我が子のようなホームページのことでさえこんなのだから、実際にお母さんが子供に対して言われたことなんて、この何十倍何百倍も腹立つんでしょうねぇ。

 最近はありがたいことに、育児中の主婦の方以外の読者もかなり増えているので(中でもよくわかんないのが、独身男性や女子高生の読者が急増しているのは、なんでだろ〜?テツandトモ)、ある調査機関が調べた【育児中に言われてムカついた言葉ランキング】を発表しておきます。独身男性の諸君、そして数年後に気持ちがわかるであろう女子高生諸君、ちゃんと肝に銘じておくようにね!

 まず【いわれてムカついた言葉ランキング】第1位は「保育園に入れるなんてかわいそう」です。今やママが働くなんて当たり前、いかにも古いタイプの姑とかが言いそうなセリフですなぁ。さて第2位は「(1人産んでいるママに対して)2人目はまだ?」、これも親戚のおばちゃんとかあっけらかんとフツーに聞いてきそうですな。第3位は「(赤ちゃんを見て)母乳? ミルク?」、まぁほっとけ!ということでしょう。第4位「(妊娠中)男かな女かな?」、これもまたほっとけ!!!であります。第5位「(とくに男性から)母親には母性があるからね」、これはなんだろう、男性が育児を女性に押しつけるための都合のいい解釈ですなぁ、お父さん気を付けてね。第6位「子持ちの女性はちゃんと仕事ができない」、あちゃ〜・・・こんなことを言ってる上司がいる会社は明日にでも辞めてワイヤーに来なさいよ。第7位「(結婚前に親から)堕ろしなさい!」、これはノーコメントにしときますが、女子高生諸君は気を付けてね♪

 いや〜、僕もこんな仕事を始める前は、なんの悪気もなく妊娠した同級生とかに「男の子? 女の子?」なんて聞いてましたが、今はいろいろ考えちゃいます(といっても人によってはムカつかない人もいるのでしょうが)。でも、これじゃあまりにママばかりを援護して、最近増えたパパの読者からお叱りを受けそうなので、最後に【僕の周りにいるパパ数名だけに聞きました。奥さんに言われてムカついた言葉ランキング】を発表しておきます。世の奥様方、参考にしてくださいませ。( )の中は僕の勝手な解釈です。

 第5位「子どものために頑張って働いてよ」→(プレッシャーかけるな!)4位「あんた邪魔!」→(わしはゴミか!)3位「こんなところだけあんたに似て」→(ええところはオマエ似かい!) 2位「触らんといて」→(風俗行くぞ!) そして栄えある第1位は「また寝てばっかり」→(オマエも昼寝しよん知っとんぞ!!) ※以上プライバシー保護のため誰に聞いたかはふせておきます。

 ま、口は災いの元。言われてムカツクことは言わないでおきましょうね。ということで、今サンクスで立ち読み中のご婦人、そう美しいアナタのことです。もしもよろしければ買っていただけませんでしょうか?



一六
長い間、ご声援ありがとうございました。

 最終回である。
 思えば2001年9月の創刊号からスタートしたこのエッセイ。社長なんて肩書きですが、このエッセイが唯一の担当コーナーでした。まぁ、いくら来月号から誌面大リニューアルとはいえ、さすがにこのエッセイは終わらんやろ〜と安心してましたが、さっき川内の『吉野家』に編集長ごめっちと夜食食いに行ってたら編集長から連載打ち切りを告げられました・・・。
 お〜い! ごめっち!! いくら給料安いからって、そんな急にヒドイわぁ。来月から給料(ほんのちょっとだけ)上げるから考えなおしてくれやぁ・・・・・。

 給料といえば、家事や育児の主婦業ってどれくらいの給料になるだろうか考えたことないですか?

 会社で働くお父さんと違って、家事や育児に給料は出ないから、計りようのない主婦の給料。じつは保険会社やらマスコミやらがいろんな計算方法で「主婦の年収」とか「主婦の時給」を出していたりするんです。

 ということで、最終回はみなさんが毎日どれくらい“ただ働き”しているか換算してみたいと思います。とくに「俺は汗水流して家計を支えているのに、オマエは文句ばっかり言うな!」なんて怒鳴られたことのあるアナタ、よく読んでおいてくださいよ。
 といっても報道するマスコミによって数字に違いがあって「時給950円」とか「年収350万円前後」とか、いろんなのが出てきます。今回、僕がいろんな資料を見てコレだ!と思った考え方は「休業損害」です。

 「休業損害」とは、交通事故にあって仕事ができなくなったぶんを加害者に請求することができるお金のことです。たとえば。たとえば給料20万円のサラリーマンが2ヶ月入院して会社を休んだのであれば、加害者からは40万円請求することができます。

 ほな、専業主婦が事故ったらどうなるでしょうか? 働いてないから請求はできんのでしょうか? そんなんやったら主婦は車に引かれるだけソンなのでしょうか?

 いやいや、そんなことはございません。主婦だって立派なお仕事。堂々と胸を張って「休業損害」を請求してくださいよ(いや事故には気を付けてくださいね!)。

 ほな、どれくらいの金額を請求できると思いますか? 今だったら一番安く見積もっても1日につき5,700円はいけるみたいですよ。この数字は[自賠責保険の基準]を参考にしてまして、今年2月現在の数字です。この金額は毎年変わるので、覚えておいたら何かと便利ですよ。

 たとえば、車に引かれて10日間、家事や育児ができなかったとしましょう。すると、5700円×10日=57000円は最低でも請求できるんです。

 僕はこの数字がそのまま専業主婦の給料に近いのではないかと思います。つまり主婦の日給は最低5700円。そんで月給は、男だったら週休2日だけど、主婦業は年中無休ということで月30日労働として、日給5700円×30日=17万1000円

 どうですか? 「そんなに高いの?」と驚きましたか? 「そんだけしかないの?」と落ち込みましたか? 「旦那の給料とそんなに大差はないわ!」と感じましたか? 「旦那の給料の半分しかない」と愕然としましたか? それとも「旦那より多いやん」と笑えてきましたか? 

 これからは、あまりにエラソーに「オマエは働いてもないのに文句言うな!」とか言われたら、この数字を思い出してください。でも注意しないといけないのが、家事も育児もほったらかしで、半分以上を旦那に任せっきりだったら、逆に「俺に1日5700円×15日=85500円払え!」なんて言われて反逆されるのでご注意を!!

 ということで、僕もはやくみなさんの給料を抜けるように頑張りますね(いやマジで)。長い間おつき合いありがとうございました。また会う日まで♪



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ま、こんな感じで雑誌の連載は終了しちゃったけど、ヒマがあったらホームページの 中だけでも執筆していきますね。
ま、オリンピックくらいの感覚でがんばります!